東大 2017年 第3問
設問(二)
「名之日牆猫可」(傍線部d)と客が言ったのはなぜか、簡単に説明せよ。
まず書き下してみましょう。
「之に名づけて牆猫と日はば可なり」
ですね。
では、次に現代語訳するとどうなるでしょうか?
はい、「その猫に名付けて牆猫と呼ぶのが良い。」ですね。
設問(二)はその理由を問うているわけですが、
理由は、すぐ前の二文に書いてありますね。
「大風飆起、維屛以牆、斯足蔽矣。風其如牆何。」です。
これを書き下すとどうなりますか?
一文目は、
「大風飆起するも、維だ屛ぐに牆を以てせば、斯ち蔽ふに足れり。」
二文目は、
「風其れ牆を如何せん。」
ですね。
では、現代語訳はどうなるでしょうか?
一文目は訳しやすいですね。
「大風が猛威をふるっても、ただ塀を用いて遮れば、防ぐことができる。」
二文目は「如~何」がポイントです。
「漢文句形とキーワード」だとP.76に出てますね。
「How to」と書いてあるように、手段・方法についての疑問・反語を表す句形です。
「~を如何せん」と書き下して、
「~をどうすることができようか、いやどうすることもできない。」という意味になります。
ですから、二文目は、
「風は塀をどうすることができようか、いやどうすることもできない。」
という意味ですね。
では、ここでもう一度、設問を確認しておきましょう。
「名之日牆猫可」(傍線部d)と客が言ったのはなぜか、簡単に説明せよ。
でしたね。
それから、ここまでの文脈としては、
「虎より龍、龍より雲、雲より風」ときて、
三人目の客人が塀は風を防ぐことができるという理由で「風より塀」
つまり「牆猫」を提案したという流れでした。
ここで、答案作成の上での一つ注意しておきたいのは、
「虎・龍・雲・風よりも塀が優れているから」
のように答えてはいけないということです。
三人目の客人は、「虎・龍・雲」とは比較してません。
あくまで風と比較した上で、「名之日牆猫可」と言ったわけですから、
本文を無視して勝手に書き加えてはいけないのです。
では、その点に注意しながら解答例を作ってみると、
こうなります!
解答例:猛威をふるう風よりも、それを防ぐことができる塀の方が優っているから。
最後に、答案添削コーナーです。
まず、T君の答案から。
どんなに強い風も塀に遮られるので、塀の方が風よりも強いから。
塀が風に優る点を押さえた上で、優劣を理由にしてますね。合格です!
次に、K君の答案です。
強風を防ぐ塀は風より強いといえるので、猫の名には塀の方がよいと考えたから。
こちらもOKです。よくできました!
最後にOさんの答案です。
龍、雲、風のいずれにも勝る塀の方が猫の名にふさわしいから。
あー残念!三人目の客人はこのようなことは言ってませんでした。
これだと0点です。本文に即して答えないといけませんね!
